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楽天、TBS株取得問題=どうなるメディアの未来
 楽天がTBSの株を取得して、一緒に事業をしていきたいと迫っています。何か一方的に結婚を迫っているようで、変な展開でもあります。

 この問題をメディアの未来という視点で考えていきたいと思います。
まず、状況をIT業界、テレビ業界、それぞれの背景から整理していきましょう。

 IT業界を見ると、インターネット検索のポータルサイトは、勝ち組と負け組がはっきりとしてきたようです。アクセス分析サービスを提供するネットレイティングスによると、家庭からインターネットにアクセスした人の84%がヤフーを訪ね、2位のMSNが51%、3位のニフティが48%とヤフーがズバ抜けています。1人当たりの月間総利用時間でも、MSNの6倍近い3時間7分(2005年3月調査)。その上、ヤフー内のオークションやゲームなど40あまりのコンテンツは、カテゴリー別でも軒並み首位とのこと。つまり消費者はいったんヤフーに行くと、情報検索から遊び、ショッピングまで全てをそこで済ましてしまう傾向が顕著になってきたのです。
 では、楽天は?加えていうならフジテレビと攻防を繰り広げたライブドアは?利用者からの位置づけは、勝ち組といわれている両者でも厳しいものでしょう。

 さて、テレビ業界はどうでしょう。日本テレビは28日からインターネットを通じて番組を有料で配信するそうです。好きな時にいつでも見ることができる「VOD(ビデオ・オン・デマンド)」方式で、著作権者らの了解が得られた過去のバラエティー番組や情報番組を3~15分に編集し直して配信するとのこと。番組ごとに課金し、一部は広告を流して無料にするそうです。こうした動きはフジテレビでも一部でスタートさせているほか、TBSも11月から取り組むそうで、この動きを見る限り、何で楽天やライブドアと一緒にやらなくてはならないの?ということでしょう。

 メディアの特性という観点からみるとどうでしょう。そもそもインターネットの特長は
①不特定多数へ、ネット環境にあれば世界中どこからでも、どこにでも情報発信ができる。
②インフラの整備が進み、コストが著しく下がったので、個人レベルからの情報発信ができる。
ということです。

 これまでテレビは唯一、アンテナと受像器がある不特定多数のところに瞬時に情報を流せる手段でした。しかし、そのためには大きなインフラを抱えねばならず、その影響力から許認可事業になっていました。参入しにくく、利益を蓄えやすいビジネスモデルです。局員の給与の高さからも、そのことは周知の事実でしょう。テレビ局の側に立てば、こうしたビジネスモデルを自ら壊していくことほど愚かなことはありません。少しでも延命させる努力をするでしょう。インターネットは大きなインフラを抱える必要がなく許認可事業でもなく低コストで不特定多数に情報発信できる、テレビという仕組みを破壊する新たなメディアです。テレビ局は、時代の変化に応じても、できるだけ融合を引き延ばし、融合後も支配権を手放さない手段を講じることでしょう。

 IT業界とテレビ業界は完全に敵対関係です。それなのに、そのことに触れず協力できる訳はないのです。幾ら利益があがっていようとも、ヤフーに集約されていく現状は見過ごせない。だから魅力的なコンテンツ=映画会社、プロ野球球団、テレビ局は作れないが、買収もしくは提携して、利用者に来て貰おうという楽天やライブドアの発想は理解できます。でも、それでは自ら作れる側の立場の側が強くなりますよね。幾らお金を積んでも作れない人と、自ら作れる人は、作る人の方が立場は強い筈です。力を借りずともできるのですから。つまり、楽天やライブドアも自ら作る道を選ぶべきではなかったのでしょうか。ところが、その道はいばらの道です。コンテンツ作りほど厄介なものはありません。
確かにライブドアでも作ろうとして、現状一部はチャレンジしています。ところが遅々として面白い魅力的なコンテンツが作れないのです。
でも、そう簡単にできるわけありません。だからこそそこで戦う、野球の選手、俳優、製作者などが時には尊敬もされるのでしょう。非常に厄介なことをして頑張っているのですから。でも、それを獲得すれば強いのです。

 プロ野球やサッカーではなく、注目されていないけど魅力的なスポーツを誰もが楽しめるスポーツに育てられないのでしょうか。ミュージシャンを卵のうちから育てられないのでしょうか。エンターテイメントするネットオークション番組を配信できないのでしょうか。テレビは制作費のほかに放送するためには莫大な額の電波料というものがあって、はじめて放送できる仕組みになっています。ところがネットならばコストは一挙に下がります。自らソフトを制作、調達することで、テレビに比べコストを下げても利益が出るビジネスモデルはできるはずです。テレビ局と組めば、局側はなるべく既存のビジネスモデルを生かそうとしますし、高コスト体質です。もし、自らソフトを制作、調達できるところがITを生かしたビジネスモデルを作って挑戦してくれば破壊的です。なぜ、それをしないのでしょう。テレビ局が高コスト高利益、どんぶり経営ということを見抜いているから?それが欲しいのでしょうか?でも、旧式のビジネスモデル、終焉に向かっているビジネスモデルなのに?

 テレビが許認可事業である所以を報道の立場、メディアの公共性の論理とすりかえてしまう議論がありますが、それはどうでしょう。新聞や雑誌は許認可事業ではありません。しかし、その影響力を考えると公共性もあるでしょう。コストを超えた報道の必要性という意味では報道専門のCNNが成立していることをどう捉えれば良いのでしょうか。インターネットであろうと何であろうと大きな影響力が出てくれば公平、中立、公共性、使命、役割というようなものは生まれてくると考えるべきです。

 そんな議論ではなく、既得権を持つ側が新興勢力に協力する訳はないと考えるべきです。それより、なぜ、新興勢力になれたのですか。なぜ、その強みを生かさないのですか。と考えるべきです。

 大きな資本がなくとも個人レベルで情報発信ができるインターネットの特性。なぜ、テレビや新聞レベルからではない、個人レベル、個性を生かした情報発信力を強みにしようとしないのでしょう。もっと、育てていこうとしないのでしょう。

 大きなコストをかけることからも失敗しにくいメディアになっているテレビ。故に常に似たり寄ったりの企画ばかりが並んでいる現状を何故見ないのでしょう。比べれば小さなコストで発信できるインターネット。様々な試みをして、多くの利用者に受け入れられるコンテンツを見つけていこうとするのが正しい姿なのだと思います。
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テーマ:企業ニュース - ジャンル:ビジネス

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